樺沢紫苑先生の著作『読んだら忘れない読書術』を読みました。
この本は自分の成長のための読書にとことんフォーカスしています。
本を読んでも内容を忘れてしまったり、うまく内容を説明できるほど言語化できていないことってけっこうありますよね。
僕もなんとなく読み進めて、面白かったはずなのに内容をしっかり覚えていないことがよくあります。
自分の成長の糧とし、血肉と化するにはどうしたらいいのか・・・。
その方法論を余すことなく、かなりストイックに教えてくれる一冊です。
日本人の読書量は?
日本人の読書量は、平均して年間12.3冊だそうです。
この数字を「少ない!」と感じるか「へー、意外と多いじゃん」ととらえるかは人それぞれだと思いますが、僕としては少ないと思います。
1週間に1冊で、年50冊くらいは読みたいですね。
実際、僕の周りの人も読書を継続的に行っている人はあまりいないと思います。
そのことはとても残念に感じています。
最近だとやっぱりYouTubeやSNSなどで情報を得ることが多いですもんね・・・。
文化庁の「国語に関する世論調査」(2013年)での「1か月に大体何冊くらい本を読んでいるか」(漫画や雑誌をのぞく)という質問に対して、
「本を1冊も読まない」と答えた人が全体の47.5%にものぼったそうです。
- 「読まないと答えた人が47.5%
- 「1,2冊」と答えた人が34.5%
- 「3,4冊」と答えた人が10.9%
- 「5,6冊」と答えた人が3.4%
- 「7冊以上」と答えた人が3.6%
2013年の時点でこれだから、2021年のいまはさらに本を読まない人が増えていそうですね。
これはある意味チャンス?
これは日本に住む個人に対してはチャンスととらえることもできます。
月に本を7冊以上読むだけで読書量においては日本人の上位4%に入るわけですからね!
読書量においては!
あとは読んだ本からいかに学びを得ることができるか、ということですがこの本はその手法について解説しています。
読んだら忘れない読書術。
「インプット量」で勝ち、「アウトプット量」で勝ち、自己成長のスピードで勝てば、あなたはライバルに圧倒的に差をつけることができるのです。
読書のメリット
知識を得られる
本はその道のプロが書いたものです。
プロが何年もかかって体得した知識を体系的にまとめたものが「本」という存在です。
そういう視点で見るととても価値が高いものだと言えます。
それを読むことでプロが何年もかかって得た知識を、同じように知ることができるとは!
文章力がつく
うまい文章を書くというのはなかなか難しいですよね。
読書でいい文章に接することで自分で書く文章もよくなります。
かのスティーブン・キングはこう言っています。
「作家になりたいのなら、絶対にしなければならないことがふたつある。たくさん読み、たくさん書くことだ私の知るかぎり、そのかわりになるものはないし、近道もない」
ストレスが緩和される
何か困ったことが起きた時に解決方法がわからないと、それは「悩み事」となりその人をストレスで苦しめます。
人間関係の悩みや、仕事の悩み、恋愛の悩み、金銭トラブル、子供の教育、健康の悩みなどなど・・・
そういう時に(YoutubeやSNSではなく)解決方法を知るために本を読むというのは、ストレスを大きく緩和させることができます。
「なるほど、こんな解決手段があるんだ~」と知ること自体が心に余裕を持たせ、前向きな気持ちにさせてくれることでしょう。
6分間読書をするだけで大幅にストレスが軽減する、という大学研究もあります。
イギリスのサセックス大学の研究で、どの行動が一番ストレスを解消するかというものです。
- 読書・・・68%
- 音楽鑑賞・・・61%
- コーヒー・・・54%
- 散歩・・・42%
- テレビゲーム・・・21%
という結果でした。
たしかに読書というのは心の余裕を持たせる効果があるんだな、というのは僕も日々実感があります。
頭がよくなる
読書をするとシンプルに頭がよくなります。
読書によってインプットとアウトプットを繰り返すことで、その人の脳を活性化し、脳のパフォーマンスが高まる、ということは多くの脳科学が示しています。
人間の脳は一生成長し続ける
いままでの常識として20歳を過ぎたら脳細胞は死ぬだけと思っている人が多いと思います。
僕もなんとなくそんなイメージを持っていました。
最新の脳科学の研究では、脳細胞は20歳をすぎても分裂、成長し、さらにそれは一生続くということがわかりました。
よかったですね。人は何歳になっても成長することができます。
ただしそれは成長する意思がある場合にかぎります。
継続的にインプット・アウトプットを重ねていけば何歳になっても成長していくことができます。
逆に漫然とした日々を過ごしていくと後になって成長を続けた人と比べて取り返しのつかない差ができているかもしれません・・・。
読書術
では実際にどんな読書術があるのか見ていきましょう。
本を楽しむ
やはり一番は楽しんで読書することです。
読書をいやいや続けようとしても続くものではありません・・・。
筆者も昔は読書が嫌いだったそうです。
そんな中で読書をする習慣ができて、読書を楽しいものだと認識するようになったのは一冊の本との出会いだったそうです。
友人に勧められて読んだ「グイン・サーガ」がめちゃくちゃ面白いファンタジーで一気に読み進めていったそうです。
それからは読書が苦ではなくなり、面白いものだと思えるようになったのです。
僕も読書が好きになったきっかけは子供のことに読んだハリーポッターでした。
読書をするのが嫌いな人は、まずは自分が面白いと思える本を見つけて読みましょう。
いきなり自己成長のために難しい本を読むのはおすすめできません。
読んだ本を3回アウトプットする
読書をしても読んだ内容の大半を忘れてしまってはもったいない。
自らアウトプットする機会を作り、それによって記憶として定着させましょう。
具体的には
- 本を読みながらメモを取ったりマーカーでラインを引く
- 読んだ本の内容を人に話す
- SNSやブログで感想を投稿する
このように3回アウトプットするすることで脳が重要な記憶と認識して、いつまでたっても本の内容を忘れないとのことです。
とくにSNSで本から引用した名言を投稿するというのは、TwitterやFacebookでシェアされやすいのでおすすめとのことです。
本の著者に感想を送る
Twitterなどをやっている本の著者はけっこういます。
その人に本を読んだ感想を送るなどすると「いいね」やリツイートしてくれたり、メッセージをくれることもあります。
著者から直々に反応をもらえるととてもうれしい気持ちになりますよね。
それによって本から学んだ内容が自分の中でさらに重要なものとなると思います。
効率的な読書法
次は効率的に読書する方法です。
樺沢紫苑先生は1か月に30冊も本を読めるそうです。
つまり1日1冊ですね。(もちろん本のボリュームにもよると思いますが・・・)
スキマ時間に読む
スキマ時間に読むのがおすすめ!と言っています。
がっつり時間をとって読書するよりも、15分~1時間などの短い隙間時間に読書をするのがおすすめだよ!とのことです。
仕事が忙しくてなかなか読書する時間がない!という人も電車の移動時間などに本を読むことができるでしょ?と提案しています。
またスキマ時間にする読書は記憶に残りやすいということにも言及しています。
たしかに「よし、今日は1日がっつり読書するぞ!」と意気込んでも、眠くなってしまったり他のことに気を取られたりしがちです。
そうでなくともがっつり長時間読んだのにあんまり内容を覚えてない・・・なんてことは僕もよくあります。
それに比べてスキマ時間でする読書は集中力が持続できているので、集中力が切れて文字を目で追うだけ、という状態にならずに済みます。
ここまで読む!と目標を決めて読む
1日でここまで読むぞ、と目標を決めるとそれを達成するために集中して読むことができるとのことです。
それがだんだん習慣化していくと、1日1冊読めるようになるんですね。
いままでは僕は時間があるときに読もうという感じでしたが、これからは目標を決めて読書に取り掛かろうと思います。
月に何冊読めたかもちゃんとチェックしてね。
「速読」はするな、「深読」しろ
速読に興味を持つ人が多いようですが、樺沢先生は速読はするなと言っています。
樺沢先生の「本を読んだ」の定義は「内容を説明できること」、そして「内容について議論できること」だからです。
速読ではそれを達成するのが難しい、ただ読んだ冊数を競うような読み方にはまったく意味がない、と言い切っています。
僕もそれは同感です。
100冊読んだところで何もアウトプットできるものがなければ、何の意味もありません。
それよりはたった1冊の本でも多くのことを学び取るほうが大切です。
それが「深読」です。
本を読む以上、それが自分の血となり肉となるような読み方をしなければいけません。
「深読」できるようになってから「速読」や「多読」を目指すのが順序というものです。
おわりに
いかがだったでしょうか。
みなさんもスキマ時間を有効活用して、インプットした内容をアウトプットしていけるような読書術を身につけていきましょうね。
このスキルは一生役に立つはずです。
ここに紹介した内容はほんの一部です。さらなる読書術を知りたい方は本を買いましょう。